台風接近の影響もあり、雨の為、今週も路上はお休みでした。
来週は、遠方よりの友人と逢う可能性が高く、出来れば、その現地で演奏したいところですが、路上そのものが中止という事もあります。
予定、はっきりしましたら、早めに告知いたします。
カポの話。その2
ギターというのは、思った以上に低い音域をカバーしています。
私のアレンジは、ベースラインが動くものが多いです。
昔、友人のベースシストとユニットを組んだ時。
「これじゃ、ベースいらないね。」
と言われたことがあります。
別な、ベーシストにはこうも言われました。
「そこ、オレの担当だから。」
アンサンブルでは、問題があるようですが、ギター1本の弾き語りでは、この低音の存在は大変重要です。
通常、音の厚みが薄くなりがちな間奏部分を、低音部と開放弦を上手く使うことで違和感無く聴かす事が出来たりします。
これまで。
『歌唱にキーを合わせるよりは、ギターに歌唱を合わせたほうが、全体としては良い。』
という心持でありましたが、そうも言ってられない事情もあり、やむをえずカポ使用を始めたわけです。
そんな中でも、私なりの決め事があります。
それは『使用は3フレットまで』です。
音を上げても1音半(カラオケで言うと+3)まで、ということです。
それでも、低くて唄い辛い場合は、アレンジのキーそのものを変更します。
キーCの場合は、D#まではカポで。
それ以上は、なるべく開放弦を活かせるように、キーE、G、Aで考えます。
F、Bは開放弦を活かせないので、それぞれGのカポ2、Aのカポ2とします。
その上で、運指的に、どうしても適正キーでのアレンジに無理がある場合は、曲そのものを潔くあきらめます。
理由は、カポ4以上の音は、すでに、ギターの音では無いと思っているからです。
同じ高さの音であっても、カポ無しの開放弦の豊かさ(音の減衰の長さ)と同一には聴こえません。
ナイロン弦の場合、ウクレレっぽくもあり、音の質が決定的に変化してしまいますよね。
なので、高い位置でカポを使用したギターの音は、厳密には、“ギターの音”ではなく、“ギターをカポで移調した音”(まんまのようですが)と呼称していいかと思います。
稀な例として、わざと、カポ6とか7にしたりする場合があります。
でもこれは、ソロにせよアンサンブルにせよ、狙った上で、その音質が必要とされているのであって、そのキーが欲しいわけでは無いと考察します。
弾き語りに限って言えば。
高い位置でのカポ使用は、コードでの移調を面倒に思う、演奏者の未熟さの表れのようにも見えます。
あるいは、ギターという楽器に対する、敬愛の念の欠如とも思えます。
その音楽は、ただやみくもに、“ギターをカポで移調した、本来のギターではない音”に歌唱を乗せているだけです。
もはや、『ギター弾き語り』ではなく『カポ弾き語り』とは、言いすぎでしょうか。
以前。
時間の無い中で、カポ5で伴奏をした事があります。
いつも以上に、“負けた“気がしたのは言うまでもありません。
途中、わざわざ、“ギターをカポで移調した音”と呼称した訳は、次回『カポの話。その3』で書きます。
(つづく)